火災保険の基礎知識

火災保険の類焼損害補償特約・失火見舞費用保険金とは?

投稿日:2019年4月12日 更新日:

日本には失火責任法という法律があり、自分が火元となった火災で隣家などに延焼して被害を与えてしまっても重大な過失がなければ損害賠償責任は負いません。では、もらい火による延焼火災はどのように対処すればよいのでしょう。また、失火者は損害賠償責任を負わなくてもその後の関係性を考え準備しておく火災保険の特約について紹介します。

もらい火(延焼)は自分の火災保険で備える

日本には失火責任法という法律があり、失火者に重大な過失がある場合を除いて失火で他人に損害を与えてしまっても損害賠償責任は負いません。

そのため、自分の家に受けた損害については自分でかける火災保険で修理する必要があります。火災による損害は自分が失火者となり住宅に損害が出た場合も延焼の場合も火災保険の補償は変わりません。

失火責任法とは

失火責任法は明治32年に定められました。この法律ができた明治時代は木造住宅が密集して建てられていて、一度火災が起こると大きな災害になりやすく、火元に延焼の賠償責任を負わせると個人の賠償責任能力を大きく超えてしまうという背景がありました。このような背景から定められた失火責任法は、「重大な過失がある場合は除き、火災で他人に損害を与えてしまっても損害賠償責任は負わない」という内容になっています。

現在でもこの法律は有効で、隣家から失火した火が延焼し自分の家に燃え広がってしまっても、失火者に重大な過失がなければ賠償請求はできません。ですから、自分の家を自分で守るために火災保険で備える必要があります。

法律上の損害賠償責任がなくても相手への賠償に備える

自分が失火者となり、隣家に延焼してしまった場合、法律上の損害賠償責任がないと言っても、ご近所との関係性を考えるといくらか金品を渡しておきたいという気持ちも芽生えます。そのような場合に役に立つのが火災保険の「類焼損害補償特約」や「失火見舞費用保険金」です。

「類焼損害補償特約」とは

「類焼損害補償特約」とは、契約している住まいからの失火で近隣の家屋などに延焼してしまった場合に、法律上の損害賠償責任がなくても延焼先の損害を補償する特約です。ただし、延焼先の隣家が火災保険に加入している場合はそちらからの支払いが優先されます。

つまりは、延焼先が火災保険に入っていなかったり、入っていてもその火災保険だけでは損害をカバーしきれなかったりした場合に保険金が延焼先に支払われる特約です。一般的に保険金の支払限度額は保険期間を通じて1億円で、個人賠償責任保険とセットで契約する必要がある保険会社もあるようです。

「失火見舞費用保険金」とは

「失火見舞費用保険金」では、契約している住まいからの失火で近隣の家屋などに延焼してしまった場合に、支出した見舞金等の費用が保険金として支払われます。1世帯当たり30万円、1回の事故につき保険金額の30%や1世帯当たり20万円、1回の事故につき保険金額の20%といった金額が限度となります。

消防活動による損害について

火災で失火元である自分の家だけに損害があった場合でも、放水などの消防活動により近隣住民宅に損害を与えてしまう場合があります。隣の家が消防活動により水浸しになってしまったり破壊してしまったりなどで損害を受けた場合の隣家への補償も類焼損害補償特約や失火見舞費用保険金の適用が可能です。(煙損害または臭気付着の損害は対象外)

もちろん、隣家が加入する自分の家の火災保険で消防活動により受けた損害を補償することは可能です。

「個人賠償責任特約」について

火災保険の特約で個人賠償責任保険に契約する人も多いです。個人賠償責任保険は、日常生活において、契約者自身またはご家族の方が他人にケガをさせてしまったり他人のものを壊してしまったりして法律上の損賠賠償責任を負った場合に備える事ができる保険です。自分が失火者となり、隣家に延焼して近隣住宅に損害を与えてしまった場合で、個人賠償責任保険で金銭の支払を含めた謝罪ができるのではないかと考えてしまう人もいるでしょう。しかし、隣家への延焼は失火責任法により法律上の賠償責任を負わないため個人賠償責任保険の適用外となります。

近隣住民との関係維持のために

自分の家が火元となり近隣住民宅に損害を与えてしまっても失火責任法により損害賠償責任を負う事はありません。しかし、今後も同じ土地で暮らしていくことを考えると近隣住民との関係が良好であることに越したことはありません。損害や迷惑をかけてしまった時には、誠意ある態度で対応する必要があります。更に、法律上の損害賠償責任がなくても延焼による損害を与えてしまった場合に金銭面でのお詫びに備えたいという人には火災保険の「類焼損害補償特約」や「失火見舞費用保険金」の備えがあると安心でしょう。

重大な過失がある場合は?

失火者に重大な過失がある場合は失火責任法の適用外となり、失火者は損害賠償責任を負います。この場合、損害賠償を支払わなければなりませんが、火災保険は自動車保険とは異なり自分の建物・家財の損害を補償するものなので保険金を受け取ることはできません。

それでは、損害賠償額が自分の支払える範囲を超えていた場合は打つ手がないかというと、個人賠償責任保険が使える場合があります。個人賠償責任保険は契約者や家族が過失によって他人にケガをさせてしまったり、他人の財物を壊してしまったりして法律上の損害賠償責任を負った場合に、負担する損害賠償金を補償する保険です。

個人賠償責任保険は故意による損害は免責事項に含まれていますが、重大な過失については免責事項に入っておらず、補償対象となることが多いです。なお、重大な過失が認定されず失火責任法によって損害賠償を負わなかった場合は個人賠償責任保険は利用できないのでご注意ください。

まとめ

自分が火元となって隣家などに延焼してしまっても、重大な過失がない場合は失火責任法により損害賠償責任は負いません。しかし、損害賠償責任がなくても道義的に何かしらの補償を行いたいものです。そのニーズに応えるのが、「類焼損害補償特約」や「失火見舞費用保険金」です。それぞれ補償内容が異なりますので、内容をよく確認して加入するようにしましょう。

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